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PM(プロジェクトマネージャー)として働くならフリーランスと正社員どっちがいい?

PM(プロジェクトマネージャー)として働くならフリーランスと正社員どっちがいい?

更新日:2024/01/25

近年、転職に対する風潮が変わり、その敷居は低くなってきています。

PM(プロジェクトマネージャー)として働いている方の中にも、現在の勤務先に不満を感じ、新しい職を探している方もいるでしょう。また、PMを含めIT関連の職種では、独立し、フリーランスとして活動する方も多いです。

今後も正社員として働き続けるか、フリーランスの道を選ぶか迷っている方もいると思います。どちらの選択肢にも一長一短がありますが、大事なのはそれぞれの特徴を知り、自身に適した働き方を選択することです。

この記事では、PMとしてキャリアを考える際のフリーランスと正社員の違い、およびそれぞれのメリット・デメリットをご紹介します。

目次

  1. 正社員PMの特徴
  2. フリーランスPMの特徴
  3. PMに必要なスキルセット
  4. PMに役立つ資格
  5. 正社員PMの収入
  6. フリーランスPMの収入

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この記事で言いたいこと

・正社員は収入が安定しているというメリットがあるが、異動のリスク新人・若手への教育の手間といったデメリットもある
・フリーランスには収入の高さやプロジェクト選択の自由度の高さといったメリットがあるが、収入の不安定さや、確定申告などの事務仕事の手間といったデメリットもある
・PMに必要なスキルには「現場知識」「コミュニケーション能力」「管理能力」が挙げられる
・PMに有効な資格には「PMP®(プロジェクトマネジメントプロフェッショナル)」「プロジェクトマネージャ試験」が挙げられる

正社員PMの特徴

正社員の特徴

正社員とは期間を定めず企業と雇用契約を結んだ労働者のことを指します。所属企業に求められた働き方をする必要があるため、望まない案件への参画や急な異動を命じられる可能性もあります。

その反面、安定した収入によりローンなどの審査に通りやすくなるといった利点があります。フリーランスに対して「自由」が少ない代わりに「安定」を得られるのが正社員の働き方といえるでしょう。

正社員PMのメリット

正社員として働くメリットは以下になります。

・安定した収入
・スムーズな人間関係の構築
・社内の相談相手

安定した収入

正社員は、プロジェクトの成果に左右されず、一定の給与が保証されています。参画するプロジェクトによって収入が変動することは少なく、安定した生計を立てるという面において大きなメリットがあるといえるでしょう。

スムーズな人間関係の構築

自社内から複数人でプロジェクトに参画する場合や前任者がいる場合、人間関係の形成が円滑になるケースが多いです。特にPMのように様々な部門と連携する職種にとって、人間関係の形成はプロジェクト成功に大きな影響を及ぼすため、メリットの一つといえます。

社内の相談相手

課題に直面した際、正社員であれば上司や同僚に相談することが可能です。相談できる環境が整っていることは、課題解決の手助けとなるだけでなく、安心材料としてメンタル面にも寄与するでしょう。

正社員PMのデメリット

正社員として働くデメリットは以下になります。

・急な異動のリスク
・新人・若手への教育の手間

急な異動のリスク

会社の方針や業務の都合で突然の異動を命じられることがあります。このような場合、従業員は基本的にその決定に従わなければなりません。こうした会社都合による異動等の制約は正社員のデメリットです。

新人・若手への教育の手間

新入社員や若手社員と一緒のプロジェクトに参画した場合、指導に時間を要し、自分の仕事に専念できない可能性があります。

フリーランスPMの特徴

フリーランスの特徴

フリーランスは内閣官房や厚生労働省などから出ているガイドラインにより以下のように定義されています。

「実店舗がなく、雇人もいない自営業主や一人社長であって、自身の経験や知識、スキルを活用して収入を得る者」

参考:フリーランスとして安心して働ける環境を 整備するためのガイドライン

フリーランスPMは取引をするクライアントや受注する案件を自由に選べますが、自分が動かなければ売り上げが0になってしまうこともあります。「自由」と引き換えに「個人の責任」が伴うのがフリーランスPMの特徴です。

フリーランスPMのメリット

フリーランスとして働くメリットは以下になります。

・収入が高くなりやすい
・プロジェクト選択の自由度が高い

収入が高くなりやすい

フリーランスPMは収入が高くなるケースが多いため、現状の収入に不満がある場合は、フリーランスへの転向で解決する可能性があります。

プロジェクト選択の自由度が高い

フリーランスPMは自分の興味や専門性に合わせてプロジェクトを選べるため、希望する分野で働くことができます。

フリーランスPMのデメリット

フリーランスとして働くデメリットは以下になります。

・不安定な収入
・確定申告などの事務作業の発生
・信用がない状態でのスタート

不安定な収入

案件の取得や契約の更新はあくまでも個人の責任であり、案件が途切れると収入も途切れてしまいます。さらに、自身の都合に関わらずプロジェクトが中止されるリスクも考慮しなければなりません。

確定申告などの事務作業の発生

フリーランスPMは、PMの業務以外に経費や売り上げの管理、確定申告などの対応も必要になります。普段とは違う業務への対応がストレスとなったり、本来の業務に悪影響を与えてしまったりする可能性もあります。

信用がない状態でのスタート

フリーランスを始めたばかりの頃は信用がない状態です。会社勤め時の取引先も、企業に勤めている自分とフリーランスの自分は別ものとして考えられることが多いです。信用がないということは、与信に通らなくなったり、取引条件が厳しくなったりすることが想定されます。そもそも案件への応募条件すら満たせないというケースも少なくないため、案件獲得には苦戦が強いられるでしょう。

PMに必要なスキルセット

スキル

次に、PMに必要なスキルセットは以下になります。

・現場知識
・コミュニケーション能力
・管理能力

現場知識

現場の状況把握、トラブル時の適切な判断のために、PMも現場知識は持っていた方がいいでしょう。プロジェクトのスムーズな進行に役立ちます。

コミュニケーション能力

プロジェクトが失敗する原因で最も多いのが情報共有不足によるものです。

クライアントやプロジェクトメンバーとの意思疎通がうまくできず、小さなずれから大きなほころびへとつながってしまいます。こういった事態を防ぐためにも、PMが関係各所と密にコミュニケーションをとることが重要になります。

プロジェクトに関わる人たちが円滑にコミュニケーションを図れるように立ち回ることで、PMとしての信頼も勝ち取ることができるでしょう。

管理能力

プロジェクトはQCD「Quality(品質)」「Cost(コスト)」「Delivery(納期)」の中で優先度を決めて進めるのが一般的です。PMにはこれらを適切に管理する能力が求められます。優先度の高い項目を意識しながら、各所と調整して他の項目ともうまくバランスを取っていく必要があるのです。

PMに役立つ資格

資格

PMに必須の資格はありません。しかし、持っておくことで有利に働く資格はいくつか存在します。PMとして働くにあたって役立つ資格は以下になります。

・PMP®(プロジェクトマネジメントプロフェッショナル)
・プロジェクトマネージャ試験

PMP®(プロジェクトマネジメントプロフェッショナル)

PMP®(プロジェクトマネジメントプロフェッショナル)とは、PMI(プロジェクトマネジメント協会)本部が認定している、プロジェクトマネジメントに関する国家資格です。法的な資格・免許ではないものの、専門的な知識が身についていることを証明できる資格となっています。PMに関する資格の中でもデファクト・スタンダード(事実上の標準)として広く認知されており、非常に価値のある資格といえるでしょう。

参考:PMP ®(プロジェクトマネジメントプロフェッショナル)

プロジェクトマネージャ試験

プロジェクトマネージャ試験は独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が運営する国家試験「情報処理技術者試験」の中で最高難易度に区分されています。システム開発プロジェクトにおいて、プロジェクトマネジメント業務に携わる人を対象に行われています。

試験内容は、技術面や法務、経営といった幅広い範囲の基本知識や専門知識、プロジェクトマネジメント業務における実例をもとにした目的設定や実施方法についてなどの内容が出題されます。試験の合格率は毎年14%前後となっており、非常に難易度の高い試験となっていますが、裏を返せば本資格を持っていることで高い技能や知識を持っていることが証明できるため、今後PMとして働いていく人にとってはおすすめの資格といえるでしょう。

参考:プロジェクトマネージャ試験

正社員PMの収入

正社員の収入

正社員は給与が収入となります。PMの給与相場や収入を増やす方法について解説していきます。

正社員PMの給与相場

正社員PMの平均年収は約645万円となっています。(2024年6月25日時点)

参考:プロジェクトマネージャーの仕事の年収・時給・給料(求人統計データ)

月給にすると約54万円と日本の平均年収と比較すると高い傾向にあります。初任給は23万円程度が相場のようで、他業種とそこまで大きな違いがないことから、ある程度のスキルが伴うとともに給与も伸びていくのだと考えられます。

また、給与相場は地域によっても異なり、最も高いのは関東地方で579万円、その中でも東京都は696万円です。逆に最も低いのは四国・中国地方で489万円、県単位でみると鳥取県が最も低く456万円です。PMの給与相場は日本の平均給与と比較すると高いですが、その金額は地域によっても大きく差があるようです。

給与を増やす方法

正社員PMが給与を上げるには、「資格の取得」「専門スキルの習得」「実績の積み上げ」といった自身の価値上げる方法や、「交渉」「転職」といった方法があります。交渉や転職をするにしてもある程度のスキルや実績は必要ですし、資格やスキルだけあってもアピールしないと伝わりません。どちらに重きを置くかは人それぞれですが、給与を上げるにはどちらもある程度満たしている必要があるでしょう。

フリーランスPMの収入

フリーランスの収入

フリーランスの収入は案件の報酬額に依存します。ここでは報酬の相場や報酬を増やす方法について解説していきます。

報酬の相場

フリーランスPMの平均月額案件単価は約80.3万円です。(2024年8月9日時点)

参考:PM(プロジェクトマネージャー)のフリーランス求人・案件 月額単価相場

日本の平均年収よりも高い正社員PMの平均月収が約54万円(2024年6月25日時点)であったため、この金額は非常に高いといえます。さらに案件としては100万円以上のものを少なくないため、収入の面でいえばフリーランスの方が高いというのは確かなようです。その反面、30万円台の案件もあり、高単価案件が獲得できるスキルや営業力、交渉力がないと高い収入を獲得するのは難しいともいえるでしょう。

報酬を増やす方法

フリーランスが報酬を増やす方法は、正社員が給与を上げる方法と大きくは変わりません。

具体的には「専門的な資格の取得」「ニッチなスキルの取得」「多くのクライアントからの評価を集める」といった他社との差別化ができる点を作ること、「交渉力の強化」といった営業的側面を強めることなどが挙げられます。正社員と比べて、普通に資格やスキルを持っているだけでは報酬を上げるには難しく、他者と差別化できるくらいの専門性や特別性が必要になるでしょう。

また、交渉も正社員と比べるとハードルが高く、「交渉力」というよりも「営業力」が必要になるといった方が適切かもしれません。総じて、収入自体はフリーランスの方が高いケースが多いものの、高くするまでの過程はフリーランスの方が難しいといえるでしょう。

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この記事の監修

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2015年に創業してから、PMO支援やシステムコンサルティング、システム開発支援など幅広いIT事業を手掛けています。特にPMO支援には注力しており、開発経験を持ったPMOがPMのサポート役として業務支援やマネジメントを行っています。今までの経験を活かし、同じくIT業界で働く人に役立つ情報を発信しています。