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ユーザーテストとは?顧客心理を知りUX改善に活かす方法とテストの流れ

更新日:2025/04/28
ユーザーテストとは、製品やサービスを実際のユーザーに使ってもらい、その使用感や行動を分析するテストです。この記事では、ユーザーテストの目的、メリット、準備、流れ、注意点について解説します。ユーザー視点での製品開発・改善を行いたい方におすすめの記事です。
目次
はじめに
ユーザーテストとは、製品やサービスを実際のユーザーに使ってもらい、その使い心地やユーザー行動を分析するテストのことです。ユーザーの視点を取り入れることで、製品の改善や、より良いユーザー体験の提供につなげられます。
「製品の使い勝手が悪い気がする」「ユーザーの反応がいまいち」そんな悩みを解決するために、ユーザーテストは有効です。
この記事では、ユーザーテストの目的やメリット、具体的な実施方法や注意点について詳しく解説します。ユーザーテストについて詳しく知りたい方、製品の改善にユーザーの意見を取り入れたい方は、ぜひ最後までお読みください。
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この記事で言いたいこと
⚫︎ユーザーテストとは、製品やサービスを実際のユーザーに試してもらうこと
⚫︎製品やサービスの使用感に特化したユーザビリティテストとは、目的やテスト内容が異なる
⚫︎ユーザーテストによりコンセプトデザインやペルソナ設定、UXを改善できる
⚫︎ユーザーテストを都度実施することで、大幅な修正を防ぎながらプロダクトを開発できる
⚫︎テストユーザーは開発が進むたび、こまめに実施しよう
ユーザーテストとは
ユーザーテストとは、製品やサービスを実際のユーザーに使ってもらい、その使用感や行動を観察・分析するテストのことです。ユーザーテストでは、ユーザーの行動、発言、表情などから、定性的なデータを主に収集します。
ユーザーテストを行うことで、開発者が気づきにくい問題点や改善点を発見できます。また、ユーザーのニーズや期待をより深く理解できるため、ユーザー中心の製品開発につながります。
スマートフォンの普及や技術革新により、ユーザーの価値観や利用シーンは多様化しています。そのため、企業はユーザーのニーズを的確に捉え、製品やサービスを最適化していかなければなりません。ユーザーテストは、そのための有効な手段として重要視されています。
ユーザビリティテストとの違い
ユーザビリティテストとは、製品やサービスの「使いやすさ」を評価するためのテストです。具体的には、ユーザーが特定のタスクをどれだけ効率的に、そして快適に達成できるかを測定します。
ユーザーテストとユーザビリティテストは、目的と内容が異なります。ユーザーテストの目的は、ユーザーの行動や思考、感情といった、より包括的なユーザー体験を理解することです。そのために、プロダクトのコンセプトやペルソナの仮説検証を、インタビューやワークを通して行います。
一方、ユーザビリティテストは製品の操作性や機能性など、特定の側面に焦点を当てて評価を行います。ユーザーテストがストーリーボードを使うこともあるのに対し、ユーザビリティテストではプロトタイプや実装レベルのプロダクトを用い、ユーザーに操作性や使用感を試してもらいます。
ユーザーテストを実施するタイミング
ユーザーテストは、製品開発のさまざまな段階で実施できます。適切なタイミングでテストを行うことで、より効果的に製品を改善できます。具体的には、コンセプトデザインの段階、プロトタイプ制作後、プロダクト提供後などが挙げられます。
コンセプトデザインの段階
コンセプトデザインの段階とは、製品の基本的なアイデアや方向性を固める初期段階のことです。このタイミングでユーザーテストを実施することで、ターゲットユーザーのニーズに合致しているか、コンセプトにずれがないかを確認できます。
早期にユーザーの意見を聞くことで、大きな手戻りを防ぎ、開発の方向性を早い段階で修正できます。また、ユーザーの潜在的なニーズを発見できることもあります。
プロトタイプ制作後
プロトタイプ制作後とは、製品の試作品が完成した段階です。このタイミングでユーザーテストを実施することで、実際の使用感や操作性に関する問題点を洗い出せます。
プロトタイプを用いたテストでは、ユーザーが製品をどのように操作し、どこでつまずくのかを具体的に把握できます。これにより、製品のUI/UXを効果的に改善できます。
プロダクト提供後
プロダクト提供後とは、製品が市場にリリースされた後の段階です。このタイミングでユーザーテストを実施することで、実際の利用状況やユーザーの反応を把握し、継続的な改善につなげられます。
リリース後のユーザーテストでは、ユーザーが製品をどのように活用しているか、どのような不満を抱いているかがわかります。これにより、機能追加や改善の優先順位を決定し、より満足度の高い製品へと成長させられます。
ユーザーテストの目的
ユーザーテストには、さまざまな目的があります。主な目的としては、コンセプトやペルソナのズレ解消、UXの改善、ユーザー心理の理解、プロダクトの改善などが挙げられます。これらの目的を達成することで、よりユーザーに寄り添った製品開発が可能となります。
コンセプトやペルソナのズレ解消
コンセプトやペルソナのズレ解消とは、製品の基本的な方向性やターゲットユーザー像が、実際のユーザーのニーズと一致しているかを確認することです。
もしズレが生じている場合、製品がユーザーに受け入れられず、期待した効果が得られない可能性があります。最悪の場合、開発が無駄になってしまうこともあります。
ユーザーテストを実施することで、早い段階でズレを発見し、軌道修正できます。これにより、開発の無駄をなくし、より効果的な製品開発が可能になります。
UXの改善
UXの改善とは、ユーザーが製品を利用する際の体験をより良いものにすることです。具体的には、使いやすさ、わかりやすさ、心地よさなどを向上させます。
UXが悪い製品は、ユーザーにストレスを与え、利用継続率の低下につながります。また、悪い口コミが広がり、新規ユーザーの獲得も難しくなるでしょう。
ユーザーテストを行うことで、ユーザーがどこでストレスを感じているのか、どこに不満を持っているのかを具体的に把握できます。これにより、効果的なUX改善策を立案・実行できます。
ユーザー心理の理解
ユーザー心理の理解とは、ユーザーが製品に対してどのような感情を抱き、どのように行動するのかを深く理解することです。
ユーザー心理を理解せずに製品開発を進めると、ユーザーの期待を裏切ったり、誤解を生んだりする可能性があります。その結果、製品の利用促進も難しくなるでしょう。
ユーザーテストを通じて、ユーザーの発言や行動を観察・分析することで、ユーザーの心理を深く理解できます。これにより、ユーザーのニーズに合った機能やデザインを実現できます。
プロダクトの改善
プロダクトの改善とは、ユーザーテストの結果をもとに、製品の機能やデザイン、コンテンツなどを改良することです。
プロダクトの改善を怠ると、ユーザーの満足度が低下し、競合製品に乗り換えられてしまう可能性があります。また、市場の変化に対応できず、時代遅れの製品になってしまうこともあります。
ユーザーテストで得られたフィードバックを基に、継続的にプロダクトを改善することで、ユーザー満足度を向上させ、競争力を維持できます。そして、長期的に愛される製品へと成長させられます。
ユーザーテストのメリット
ユーザーテストには、さまざまなメリットがあります。主なメリットとしては、大幅な修正や手戻りの防止、他プロダクトへの応用などが挙げられます。これらのメリットを享受することで、開発効率の向上や、より広い範囲での製品改善につながります。
大幅な修正や手戻りの防止
ユーザーテストにより開発の初期段階で問題点を発見できれば、大きな変更を未然に防げます。ユーザーの視点から早期に問題点を見つけ出し、改善できるため、このメリットが得られます。
開発が進んでから問題が発覚した場合、修正に多大な時間とコストがかかります。しかし、ユーザーテストを早期に実施することで、問題を早期発見、早期解決でき、結果として開発期間の短縮やコスト削減につながります。
他プロダクトへの応用も利く
ユーザーテストで得られたフィードバックは、他の製品の開発や改善にも応用できる場合があります。これは、ユーザーの行動や心理に関する知見は、特定の製品に限らず、普遍的な価値を持つためです。
例えば、ある製品のユーザーテストで「ボタンのデザインがわかりにくい」というフィードバックが得られたとしましょう。このフィードバックは、他の製品のボタンデザインを改善する際にも参考にできます。このように、ユーザーテストは、より広範な製品開発に貢献できます。
ユーザーテストで準備すること
ユーザーテストを効果的に実施するためには、事前の準備が重要です。準備をしっかりと行うことで、テストの質を高め、より有益な結果を得られます。
仮説の設定
仮説の設定とは、ユーザーテストで検証したい事柄を明確にすることです。例えば、「ユーザーは、この機能を使うことで、〇〇と感じるだろう」といった仮説を立てます。
仮説を設定することで、テストの目的が明確になり、評価項目や質問内容を適切に設計できます。また、テスト結果の分析もスムーズに行えます。
ペルソナの設定
ペルソナの設定とは、ターゲットユーザーを具体的にイメージした人物像を作成することです。年齢、性別、職業、ライフスタイル、価値観など、詳細な情報を設定します。
ペルソナを設定することで、ターゲットユーザーのニーズや行動をより深く理解できます。これにより、ユーザーテストの設計や分析を、よりユーザー視点で行えます。
テストユーザーのリクルーティング
テストユーザーのリクルーティングとは、設定したペルソナに合致するユーザーを集めることです。友人や知人に依頼したり、パネル会社を利用したりする方法があります。
適切なテストユーザーを集めることで、より信頼性の高いテスト結果を得られます。また、多様な意見を収集するために、異なる属性のユーザーを複数人集めることが理想的です。
テスト用のストーリーボードやプロトタイプの用意
ユーザーに体験してもらう具体的なシナリオや、製品の試作品を準備しましょう。これにより、ユーザーは実際の利用シーンをイメージしやすくなります。
ストーリーボードやプロトタイプを用意することで、ユーザーの行動や反応をより詳細に観察できます。また、口頭での説明だけでは伝わりにくい部分も、視覚的に伝えられます。
質問やワークの設計
質問やワークの設計とは、テスト中にユーザーに投げかける質問や、取り組んでもらう課題を事前に準備することです。例えば、「この機能を使ってみてどう感じましたか?」といった質問や、「〇〇の操作を完了させてください」といった課題を用意します。
質問やワークを設計することで、ユーザーから必要な情報を効率的に引き出せます。また、ユーザーの思考プロセスや行動パターンを深く理解できます。
会場と機材の準備
ユーザーテストを実施する場所と、必要な機材を準備しましょう。静かで落ち着いた環境の会議室やレンタルスペースなどを利用します。機材としては、パソコン、スマートフォン、タブレット、ビデオカメラ、録音機器、筆記用具、謝礼、契約書などが必要になります。
適切な会場と機材を準備することで、ユーザーはリラックスしてテストに参加できます。また、テストの様子を記録し、後から詳細に分析できます。
ユーザーテストの流れ
ユーザーテストは、一定の流れに沿って実施されます。この流れを理解し、スムーズに進行することで、ユーザーからより多くの情報を引き出せます。
テストの内容や目的の説明
ユーザーテストの最初に、これから何を行うのか、なぜこのテストを行うのかをユーザーに伝えましょう。具体的には、テストの概要や目的、どのような気持ちでテストに臨んでほしいのかを説明します。
ユーザーに安心してテストに参加してもらうために、丁寧な説明が重要です。また、テストの目的を理解してもらうことで、ユーザーはより積極的にテストに取り組んでくれるでしょう。
利用シーンのヒアリング
ユーザーが普段どのような状況で製品やサービスを利用しているのかを聞き出しましょう。例えば、「普段、どのような時に〇〇(製品名)を使いますか?」といった質問をします。
利用シーンを把握することで、ユーザーの行動や心理をより深く理解できます。また、テストの状況設定をより現実に近づけられます。
詳細な状況設定
ユーザーに具体的な利用シーンをイメージしてもらうために、詳細なシチュエーションを伝えましょう。例えば、「あなたは今、〇〇をしています。〇〇(製品名)を使って、〇〇をしてみてください」といった指示を出します。
詳細な状況設定を行うことで、ユーザーはより自然な行動をとれます。また、ユーザーの潜在的なニーズや課題を発見できることもあります。
テスト実施とヒアリング
実際にユーザーに製品やサービスを使ってもらい、その様子を観察しながら、質問をしたり、意見を聞いたりしましょう。
ユーザーの行動や発言を詳細に記録・分析することで、製品の改善点やユーザーのニーズを明確にできます。そして、得られた情報を基に、製品をより良いものへとブラッシュアップできます。
ユーザーテストの注意点
ユーザーテストを実施する際には、いくつかの注意点があります。テストユーザーの人数、質問の仕方、記録方法などに気を配ることで、テストの質を高め、より信頼性の高い結果を得られます。これらの注意点を守り、効果的なユーザーテストを実施しましょう。
テストユーザーは5人ほどで十分
テストユーザーは、5人ほどで十分な場合が多いです。これは、5人程度のテストで、問題点の大半が発見できるという研究結果があるためです。多くの人数を集めるよりも、テストの回数を重ねる方が効果的です。
5人に絞ることで、1人あたりのテスト時間を十分に確保できます。また、テスト結果の分析も容易になり、効率的に改善を進められます。
誘導尋問にならないよう気を付ける
ユーザーに特定の回答を促すような質問をしないよう気を付けましょう。「この機能は使いやすいですか?」ではなく、「この機能を使ってみてどう感じましたか?」というように、オープンな質問を心がけましょう。
誘導尋問をしてしまうと、ユーザーの正直な意見を聞き出せなくなります。その結果、テスト結果の信頼性が低下し、誤った改善策を導き出してしまうかもしれません。
ユーザーの様子を録画する
ユーザーの様子を録画することは、テスト結果の分析に非常に役立ちます。ユーザーの表情、操作の手つき、つぶやきなど、細かい部分まで記録することで、より詳細な分析が可能となります。録画の際は、ユーザーに許可を得てから行いましょう。
録画をすることで、後から何度でもテストの様子を見返せます。新たな発見があったり、見落としていた問題点に気づいたりすることもあります。
ユーザーテストを実施し、プロダクトをブラッシュアップしよう
ユーザーテストは開発中のプロダクトだけでなく、既存のプロダクトの改善にも役立ちます。特に、開発の初期段階であるコンセプトデザインの段階からユーザーテストを都度実施することで、方向性のずれを早期に発見できます。そして、大幅な修正が必要になるリスクを最小限に抑えられます。
ユーザーテストは、コンセプトデザインやプロトタイプ制作後、プロダクト提供後など、さまざまなタイミングで実施可能です。それぞれの段階で適切なユーザーテストを実施し、プロダクトを着実にブラッシュアップしていきましょう。