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システム開発のプロジェクトマネジメントとは?PMの仕事と求められるスキル

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更新日:2025/03/21

システム開発におけるプロジェクトマネジメントとは、プロジェクトを成功に導くための管理活動のことです。計画立案や進捗管理、品質管理などを行います。本記事では、PMの仕事内容や管理手法、必要なスキル、PMOの役割を解説。PMやPMOを目指す方にもおすすめの記事です。

目次

  1. はじめに
  2. NEWINGSでは一緒に働く仲間を募集中です!
  3. この記事で言いたいこと
  4. プロジェクトマネジメントとは
  5. システム開発におけるPMの仕事
  6. システム開発のプロジェクト管理の手法
  7. プロジェクトマネジメントに求められる11のスキル
  8. プロジェクトマネジメントを補佐するPMOとは
  9. 規模の大きなプロジェクトではPMOチームが欠かせない

はじめに

システム開発におけるプロジェクトマネジメントとは、プロジェクトを成功に導くための活動全般のことです。計画の策定、進捗や品質の管理、予算やリスクの管理などを行い、プロジェクトが円滑に進行するようマネジメントします。

システム開発に携わる方の中には、「プロジェクトマネージャーに必要なスキルを身に付けたい」「持ち前のコミュニケーション力を活かして、マネジメント職にキャリアチェンジしたい」と考えている方も多いのではないでしょうか。

本記事では、システム開発のプロジェクトマネジメントについて、PMの仕事内容や管理手法、求められるスキルを解説します。また、PMを補佐するPMOの役割についても紹介します。

プロジェクトマネジメント業務に携わる方はもちろん、PMやPMOへのキャリアアップを目指す方はぜひ参考にしてください。

NEWINGSでは一緒に働く仲間を募集中です!

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NEWINGSでは、PMOマネジャーを含め、PMOやSEを募集中です。

SEの経験が浅い方が現場で活躍したり、SEのみの経験からPMOへとキャリアアップした方もいます。
ご興味のある方はぜひ一度、募集要項をご覧いただけますと幸いです。
募集要項一覧|NEWINGS株式会社

この記事で言いたいこと

・プロジェクトマネジメントはシステム開発の成否を分ける
・システム開発におけるPMの業務範囲は広い
・プロジェクトの目的や特性に応じて、適した管理手法は異なる
・PMやPMOを目指すうえで、SEとして培ってきたスキルが役立つ

プロジェクトマネジメントとは

システム開発におけるプロジェクトマネジメントとは、プロジェクトを成功させるために全体を管理することです。具体的には、プロジェクトの計画立案や進捗管理、品質管理、予算管理、課題管理などを行います。

プロジェクトマネジメントによって、開発期間の短縮やコスト削減、品質の向上が期待できます。これらの効果は顧客満足度や、ひいては企業利益の向上にもつながるでしょう。

昨今のシステム開発は大規模化・複雑化しており、プロジェクトマネジメントの重要性が増しています。DX推進の流れもあり、より効率的で柔軟な開発が求められるようになりました。このような状況下では、プロジェクトマネジメントがシステム開発の成否を分けると言っても過言ではありません。

システム開発におけるPMの仕事

PMとはプロジェクトマネージャーの略称であり、プロジェクトの責任者として全体を管理する役割を担います。

システム開発におけるPMの仕事は多岐に渡ります。ここでは、PMの仕事内容を、システム開発の流れに沿って紹介します。

要件定義

要件定義とは、クライアントの要望をヒアリングし、開発するシステムの仕様を明確にすることです。具体的には、必要な機能や性能、デザインなどを文書化します。

要件定義はプロジェクトの方向性を決める重要なプロセスです。そのため、クライアントの業務内容やビジネス目標を理解しておくことも大切です。

ここでミスがあると、後工程で大きな手戻りが発生することもあります。クライアントと密にコミュニケーションを取り、認識齟齬がないよう、注意深く進めていきましょう。

開発計画の立案

開発計画の立案とは、プロジェクトの目標達成のために必要なタスクやスケジュール、予算などを決めることです。リソースの割り当てやリスク管理についても検討します。この時、現実的かつ実行可能な計画を立てることが重要です。

詳細な計画を立てることで、プロジェクトの見通しが立ち、メンバーも安心して作業を進められます。また、計画があれば進捗の遅れや予算超過など、問題を早期発見できます。

プロジェクトを円滑に進めるためには、綿密な開発計画の立案が欠かせません。

チームの編成

チームの編成とは、プロジェクトに必要なスキルを持ったメンバーを選定し、役割を割り当てることです。各メンバーの強みを活かせるよう、メンバーのスキルセットや経験、相性などを考慮します。

チーム編成は、プロジェクトの生産性や品質に大きく影響します。スキル不足やコミュニケーション不足は、開発の遅延や品質低下を招くでしょう。

そのため、PMにはメンバーの能力を見極め、適材適所の人員配置を行う力が求められます。

進捗管理

進捗管理とは、プロジェクトが計画通りに進んでいることを定期的に確認し、必要に応じて調整を行うことです。具体的には、各タスクの進捗状況や課題、リスクなどを把握します。メンバーからの報告を受けたり、ミーティングを開催したりすることも進捗管理の仕事です。

プロジェクトを成功させるためには、常に現状を把握し、問題に迅速に対処することが重要です。進捗に遅れが出ている場合は、原因を分析し、対策を講じなければなりません。

このような進捗管理は、プロジェクトを予定通りに完了させるために欠かせない業務です。納期や発売日に遅れるようなことがあれば、クライアントやユーザーからの信頼低下を招きかねません。

開発後のレビュー

開発後のレビューとは、開発されたシステムが要件を満たしているかを確認し、評価することです。具体的には、テスト結果やユーザーからのフィードバックを分析します。また、プロジェクト全体の振り返りを行い、成功要因や改善点を明確化することも重要です。

レビューを通じて、システムの品質向上や、今後のプロジェクトへの教訓を得られます。問題点を洗い出し、対策を講じることで、より良いシステム開発につなげられるでしょう。

レビューはシステム開発の品質を高めるうえで、欠かせないプロセスです。

システム開発のプロジェクト管理の手法

システム開発のプロジェクト管理にはさまざまな手法が存在し、それぞれに特徴や強みがあります。プロジェクトの目的や特性に合わせて、適切な手法を選択することが重要です。

PMBOK

PMBOKとは、Project Management Body of Knowledgeの略称で、プロジェクトマネジメントの知識を体系化したガイドラインです。アメリカのプロジェクトマネジメント協会が策定しました。プロジェクトを10の知識エリアと5つのプロセス群に分類し、それぞれに必要なプロセスやツール、技法などを定義しています。

PMBOKのメリットは、プロジェクトマネジメントのベストプラクティスを網羅的に学べる点です。プロジェクトを効率的に進めるための知識やスキルを習得できます。また、世界的に認知されているため、共通言語として活用できることも大きなメリットといえるでしょう。

CCPM

CCPMはCritical Chain Project Managementの略称で、リソースの競合を回避し、バッファを適切に配置する管理手法です。

プロジェクトを細かなタスクに分解し、各タスクの所要時間を最短で見積もることで、プロジェクト全体に「バッファ」を持たせます。スケジュールが遅れているタスクがあれば、バッファを切り崩して対応します。

CCPMのメリットは、プロジェクトの期間を短くできる点です。リソースの負荷を平準化し、無駄を排除することで、全体のスケジュールを最適化します。また、バッファを設けることで、不確実性への対応力を高められることも大きなメリットといえるでしょう。

WBS

WBSとは、Work Breakdown Structureの略称で、プロジェクトのタスクを階層的に分解した構成図のことです。作業を細分化し、それぞれの依存関係を明確化します。また、各作業に必要なリソースや期間、担当者などを割り当てることもWBSの役割です。

WBSのメリットは、プロジェクトの全体像を可視化できる点です。作業の漏れや重複を防ぎ、効率的な計画立案に役立ちます。また、タスクの担当者を明確にすることで、責任の所在が明らかになり、チームの円滑なコミュニケーションを促進できるでしょう。

システム開発の管理手法はほかにもたくさんあります。ほかの手法を知りたい方、それぞれの手法のデメリットや適したケースが知りたい方は、こちらの記事もお読みください。
プロジェクトの管理手法8選!システム開発における管理手法と選び方

プロジェクトマネジメントに求められる11のスキル

プロジェクトマネジメントには、コミュニケーション力から経営者視点まで、さまざまなスキルが求められます。

プロジェクトマネジメントに求められる11のスキルについて、それぞれどのようなスキルなのか、どう役に立つのかを詳しく見ていきましょう。

スキル1.コミュニケーション力

コミュニケーション力とは、自分の考えを相手に伝え、相手の意見を正しく理解する能力です。話す、聞く、書く、読むなどの手段で、相手との意思疎通を図ります。

プロジェクトマネジメントでは、多くの関係者との調整が必要となります。コミュニケーション力が高いと、メンバー間の意思疎通が円滑になり、認識の齟齬を防げるでしょう。

また、クライアントとの信頼関係を構築するうえでも、コミュニケーション力は役立ちます。相手の立場や状況に応じて、適切な表現や伝え方を選ぶことも重要です。

スキル2.傾聴力

傾聴力とは、相手の話に真摯に耳を傾け、その内容を深く理解しようとする能力です。単に話を聞くだけでなく、相手の表情や声のトーンなどにも注意を払います。また、適切なタイミングで相槌を打ったり、質問をしたりすることも大切です。

プロジェクトマネジメントでは、メンバーやクライアントの意見を正確に把握することが求められます。傾聴力が高いと、相手の本音を引き出し、隠れたニーズや課題を発見できるでしょう。

身振り手振りで相手に「あなたの話をしっかり聞いていますよ」と伝えること、自分の理解が間違っていないかを都度確認することで、より良い意思決定や問題解決につなげられます。

スキル3.ファシリテーション力

ファシリテーション力とは、会議や議論を円滑に進行し、参加者の意見を引き出しながら合意形成を図る能力です。議題の設定や時間管理、発言の促進などを行います。また、対立する意見を調整し、議論を建設的な方向に導くことも重要な役割です。

プロジェクトマネジメントでは、さまざまな場面で会議が行われます。ファシリテーション力が高いと、会議の目的を明確にし、効率的に進行できます。

限られた時間の中で質の高い議論を行い、プロジェクトの意思決定を加速できるでしょう。

スキル4.問題発見・解決能力

問題発見・解決能力とは、プロジェクトで発生するさまざまな問題に対して、その原因を特定し、適切な解決策を立案・実行する能力です。問題の本質を見極め、論理的に分析することが求められます。また、複数の解決策を比較検討し、最適な方法を選択することも重要です。

プロジェクトには予期せぬ問題がつきものです。問題発見・解決能力が高いと、トラブルをすぐに見つけ、的確に対処できます。

結果として、プロジェクトを計画通りに進め、目標を達成できる可能性も高まるでしょう。プロジェクトマネージャーにとって、必須のスキルといえます。

スキル5.経営者視点

経営者視点とは、プロジェクトを組織全体の戦略や目標と関連付けて捉え、経営的な視点から意思決定を行う能力です。具体的には、プロジェクトの投資対効果を評価したり、リスクとリターンを考慮して判断したりします。組織の資源を最適に配分するためにも、経営者視点は欠かせません。

プロジェクトマネジメントでは、個々のプロジェクトの成功だけでなく、組織全体の利益を最大化することが求められます。経営者視点を持つことで、プロジェクトの優先順位を判断し、限られた資源を効果的に活用できます。

経営者視点を持つPMは、組織の持続的な成長に貢献できるでしょう。

スキル6.リーダーシップ

リーダーシップとは、プロジェクトメンバーを動機付け、目標達成に向けて導く能力です。具体的には、チームとしてのビジョンを示し、メンバーの主体性を引き出します。また、メンバーの意見に耳を傾け、適切な指示を出すこともリーダーの役割です。

プロジェクトを成功させるためには、チームの一体感が欠かせません。リーダーシップが高いと、メンバーのモチベーションを高め、能力を最大限に発揮させられます。困難な課題にも果敢に挑戦し、プロジェクトの目標を達成できるでしょう。

スキル7.人材育成のスキル

人材育成のスキルとは、プロジェクトメンバーの能力やスキルを向上させ、成長を促す能力です。メンバーの強みや弱みを把握し、適切な指導やアドバイスを行います。また、メンバーのキャリアプランを踏まえ、成長の機会を提供することも重要です。

プロジェクトを通じてメンバーを成長させることは、組織の将来にとって大きな財産となります。人材育成のスキルが高いと、メンバーの能力を引き出し、チーム全体のパフォーマンスを向上させられます。

プロジェクトの成功に貢献するだけでなく、組織力の強化にもつながるでしょう。

スキル8.プログラミングスキル

プログラミングスキルとは、プログラミング言語を用いて、ソフトウェアやシステムを開発する能力です。具体的には要件に基づいて設計を行い、コードを記述し、テストを行います。また、既存のプログラムを修正したり、機能を追加したりすることもプログラミングスキルの範疇です。

プロジェクトマネージャー自身に高度なプログラミングスキルが必須というわけではありません。しかし、プログラミングの基礎を理解していると、開発メンバーとの意思疎通がスムーズになります。

技術的な課題を把握し、適切な判断を下すうえでも役立つでしょう。

スキル9.リスクマネジメント能力

リスクマネジメント能力とは、プロジェクトに潜在するリスクを特定、分析、評価し、適切な対策を講じる能力です。具体的には、リスクの発生確率や影響度を見積もり、優先順位を付けます。そのうえで、リスクの回避、軽減、移転、受容などの対策を立案・実行します。

プロジェクトには不確実性が伴います。リスクマネジメント能力が高いと、潜在的な問題を事前に特定し、対策を講じられます。その結果、問題の発生を未然に防いだり、発生した場合の影響を最小限に抑えたりできます。

プロジェクトを安定して遂行するために欠かせない能力といえるでしょう。

スキル10.タイムマネジメント能力

タイムマネジメント能力とは、プロジェクトの限られた時間を効果的に活用し、生産性を高める能力です。具体的には、タスクの優先順位を判断し、スケジュールを管理します。自分自身の時間だけでなく、チームメンバーの時間の使い方にも気を配らなければなりません。

プロジェクトには必ず納期があります。タイムマネジメント能力が高いと、タスクの遅延を防ぎ、プロジェクトを予定通りに完了させられるでしょう。

また、無駄な作業を削減し、効率的に業務を遂行するためにも役立ちます。チーム全体の生産性を高めるために、欠かせない能力です。

スキル11.ITツールの知識

ITツールの知識とは、プロジェクト管理やコミュニケーションに役立つITツールについての知識です。タスク管理ツールやチャットツールなどの機能を把握し、適切に使いこなすために必要です。

現代のプロジェクトマネジメントでは、ITツールが欠かせません。ITツールの知識が豊富だと、プロジェクトの進捗管理やメンバー間の情報共有を効率化できます。その結果、生産性の向上やコミュニケーションの活性化につながるでしょう。

プロジェクトマネジメントを補佐するPMOとは

PMO(Project Management Office)とは、組織内におけるプロジェクトマネジメントの支援を専門とする部署や人材のことです。プロジェクトマネージャー(PM)の意思決定をサポートしたり、プロジェクト間の調整を行ったりします。

PMOには、主に3つの職種があります。ここでは、各職種について詳しく見ていきましょう。

PMOアドミニストレータ

PMOアドミニストレータとは、プロジェクトマネジメントに関する事務的な業務を担う職種です。

主な仕事内容は、プロジェクトデータの収集や管理、ドキュメントの作成や整理などです。会議の準備や議事録の作成、プロジェクトメンバーのスケジュール調整などもPMOアドミニストレータの役割です。

PMOアドミニストレータには、事務処理能力が求められます。プロジェクトマネジメントの知識や、ITツールのスキルもあると良いでしょう。細かい作業が得意で、縁の下の力持ちとしてチームを支えたい人に向いています。

PMOエキスパート

PMOエキスパートとは、プロジェクトマネジメントの専門家として、プロジェクトの運営をサポートする職種です。

具体的な仕事内容は、プロジェクトマネジメントの標準化やルールの策定、プロジェクトのモニタリングやレビューなどです。プロジェクトマネージャーに対して、助言や指導を行うこともあります。

PMOエキスパートには、豊富なプロジェクトマネジメントの経験と知識が求められます。また、問題解決能力や、ファシリテーション力なども重要なスキルです。プロジェクトマネジメントの専門性を高め、組織のプロジェクト遂行能力の向上に貢献したい人に向いているでしょう。

PMOマネージャー

PMOマネージャーとは、PMO組織の責任者として、PMOの運営や管理を担う職種です。

主な役割としては、PMOの戦略立案やメンバーの採用、育成などが挙げられます。また、経営層に対して、プロジェクトの状況を報告したり、提言を行ったりすることもPMOマネージャーの仕事です。

PMOマネージャーには、高度なプロジェクトマネジメントの能力に加えて、リーダーシップや経営的な視点が求められます。組織内外の関係者と円滑にコミュニケーションを取る力も必要です。組織のプロジェクトマネジメントを統括し、その成功に貢献したい人に向いている職種といえます。

規模の大きなプロジェクトではPMOチームが欠かせない

システム開発におけるプロジェクトマネジメントは、PMの重要な役割です。そして、プロジェクトの規模が大きくなるにつれて、PMの負担は大きくなります。

大規模なプロジェクトでは、PMを補佐するPMOが設置されることが多いです。特に、非常に規模の大きなプロジェクトでは、複数のPMOメンバーで構成されるPMOチームが編成されることもあります。

PMやPMOとしてプロジェクトマネジメントに携わる人は、組織の戦略や目標を理解しておく必要があります。これらのマネジメント職を目指すなら、経営者視点を持ち、「自分だったらどうするか」を考えながら仕事をするといいでしょう。

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