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プロジェクトの進め方と管理に役立つ6つのフレームワーク

更新日:2025/05/16
プロジェクトの進め方と、プロジェクト管理に役立つ6つのフレームワークを解説します。プロジェクトを進めるうえで管理しなければならない5つの要素も紹介。プロジェクト管理を学びたい方や、進行に悩んでいる方におすすめの記事です。
目次
はじめに
プロジェクトとは、目標を達成するために複数のタスクを段階的に進めていく活動です。プロジェクトを成功させるにはその進め方を知り、進行状況を常に把握・管理することが大切。
「いつもスケジュールが押してしまう」「何を優先して管理すればいいのかわからない」と感じている方もいるかもしれません。プロジェクトをうまく進めるには、感覚や経験だけに頼らず、基本的な考え方を押さえておくことが大切です。
本記事では、プロジェクトの基本的な進め方と管理すべきポイント、さらに実務で役立つ5つのフレームワークについて、わかりやすく解説します。プロジェクト運営に課題を感じている方や、体系的に学び直したい方にとって、ヒントとなる内容をお届けします。
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この記事で言いたいこと
⚫︎プロジェクトは計画から評価まで、段階を踏んで進めることが大切
⚫︎プロジェクト管理では5つの管理対象を意識することが大切
⚫︎CCPMはスケジュール通りの進行が重要なプロジェクトにおすすめ
⚫︎タスクの洗い出しにはWBSが役立つ
⚫︎クリティカルパスを明確にしたいならPERTを活用しよう
プロジェクトの進め方
プロジェクトを順調に進めるには、ここで紹介する各ステップを丁寧に踏みながら取り組むことが大切です。最初の計画から最後の評価まで、一つひとつの工程を丁寧に進めることで、より良い成果につながります。
STEP1.計画と目標設定
まず取り掛かるべきは、プロジェクトの全体像を描くことです。何を目指すのかをはっきりさせ、その目標に向けて、どんな作業が必要になるか整理しましょう。スケジュールやリソースの見積もりもこの段階で行います。
最初にゴールと道筋が明確になっていれば、途中で迷うことが減り、判断にも一貫性が出てきます。メンバー全員が同じ方向を向いて動けるため、プロジェクト全体がぶれにくくなります。
STEP2.チームの構成
次に、計画を実行に移すための体制を整えます。必要なスキルや経験を持つ人を集め、それぞれの役割と責任をはっきりさせることがポイントです。チームとしてどう連携するかも事前にすり合わせておきます。
誰が何を担当するかが明確になっていれば、作業の重なりや抜けが起きにくくなります。メンバー同士の連携も取りやすくなり、お互いの動きを意識しながら前に進めるようになります。
STEP3.タスクの実行
計画が固まり、体制が整ったら、いよいよ作業に入ります。それぞれのメンバーが自分の役割を理解し、着実にタスクを進めていく段階です。必要に応じて手順を見直しながら、柔軟に対応していきます。
実行フェーズがスムーズに進めば、プロジェクト全体も安定して動きます。タスクが予定通りに進行していれば、スケジュールの遅延や品質面でのリスクも抑えられます。
STEP4.進捗管理とコミュニケーション
作業が進む中で、常に状況を把握し、軌道修正を加えていく必要があります。遅れや問題が見つかればすぐに対応しなければならず、関係者との情報共有や確認も欠かせません。
進み具合とコミュニケーションの両方を丁寧に見ていれば、大きなトラブルになる前に対処できます。チーム全体の認識も揃いやすくなり、安心してプロジェクトを進められるでしょう。
STEP5.成果物の評価とフィードバック
最後に、完成した成果物が目標に見合っているかを確認します。納品前に品質をチェックし、必要があれば修正を加えます。そのうえで、関係者からの評価やフィードバックを受けましょう。
このようにしっかりと振り返ることで、次のプロジェクトに向けた改善点が見えてきます。成果だけでなく、取り組み方そのものを見直す機会にもなり、チームの成長にもつながります。
プロジェクトを進めるうえで抑えるべき5つの管理対象
プロジェクトを円滑に進めるためには、いくつかの重要な管理項目を常に意識しておく必要があります。ここでは、特に押さえておきたい5つの管理対象について解説します。
1.スコープ
スコープの管理とは、プロジェクトで「何を行うのか」「どこまで行うのか」を明確にし、それを適切にコントロールすることです。最初に定めた範囲を超えないように進行状況を確認し、必要に応じて調整を加えます。
スコープには、大きく分けて「プロジェクトスコープ」と「成果物スコープ」の2つがあります。前者はプロジェクトで実施すべき業務の範囲のこと、後者は最終的に提供する製品やサービスの内容のことです。
スコープを正しく管理すれば、不要な作業が増えることを防げます。やるべきこととやらないことを明確にすることで、無駄なコストや納期遅れのリスクも避けやすくなります。
2.スケジュール
スケジュール管理では、プロジェクト全体の工程を時系列で整理し、それぞれのタスクがいつ行われるかを把握・調整します。そのうえで、計画通りに進んでいるかを定期的に確認しなければなりません。
管理の対象となるのは、各作業の開始日・終了日・所要時間などです。また、タスク同士の依存関係や、進行にかかるリードタイムなども考えなければなりません。
スケジュールを適切に管理することで、遅延の早期発見と対応が可能になります。全体の流れが見えるようになり、無理のない進行と期日通りの納品につながります。
3.コスト
コスト管理は、プロジェクトの予算を適切に配分し、使いすぎや無駄な支出を防ぐために欠かせない工程です。実際にかかる費用と、事前に見積もった金額の差を把握しながら進めていきます。
人件費、外注費、資材費、設備費といった直接的なコストだけでなく、管理や調整にかかる間接コストも管理します。支出の記録と分析も重要な作業です。
コストをしっかり管理できていれば、予算オーバーによる計画の変更や、プロジェクト自体の中断といったリスクを回避できます。資源を有効に活用した、効率的な組織運営にもつながります。
4.リスク
リスク管理では、プロジェクトの途中で発生しうる問題やトラブルを事前に予測し、それに備える仕組みを整えます。想定されるリスクの洗い出しと、対応策の準備が、この工程の基本です。
リスクには、納期の遅れ、予算の超過、品質トラブル、人員不足、外部要因による中断など、さまざまな種類があります。それぞれのリスクに対して、回避・軽減・移転・受容といった対応方針を検討します。
リスクを管理しておくことで、いざというときの対応がスムーズになり、プロジェクトが止まるのを防げます。不確実な要素への備えがあるかどうかで、結果の安定性が大きく変わってきます。
システム開発プロジェクトにはどのようなリスクが付きまとうのか、それぞれのリスクにどう対処していけばいいのか、詳しくはこちらの記事で解説しています。
システム開発におけるリスクマネジメントの流れや想定されるリスク、PM・PMOが意識すべきこと
5.品質
品質管理は、プロジェクトの成果物が一定の基準を満たしているかを確認し、品質を維持・向上させるために行います。要件や仕様に沿っているか、納品前にチェックすることが重要です。
管理の対象は、成果物そのものの完成度だけではありません。作業手順やテスト体制、レビューの頻度といったプロセスも、品質に大きく関わってきます。途中段階での確認も効果的です。
品質を意識して進めることで、納品後の手戻りやクレームの発生を防げます。関係者からの信頼にもつながり、プロジェクト全体の評価を高めることにもつながります。
プロジェクト管理の基本フレームワーク・PMBOKとは
PMBOK(ピンボック)とは、「Project Management Body of Knowledge」の略で、プロジェクト管理に関する知識体系を体系的にまとめたガイドラインです。世界中のプロジェクトマネージャーが参考にしており、標準的な手法として広く認知されています。
PMBOK第8版では、これまでのプロセス重視の構成から、より柔軟で本質的な原理・原則に基づく構成へと変更されました。次の6つが、その中核となる原理です。
⚫︎全体的な視点を採用する
⚫︎価値に焦点を当てる
⚫︎プロセスと成果物に品質を組み込む
⚫︎責任あるリーダーになる
⚫︎全てのプロジェクト領域に持続可能性を統合する
⚫︎積極的に協力する文化を構築する
出典:日本語訳 | PMBOK(R)ガイド 第8版の最新情報 | SmileWay
PMBOKを活用することで、プロジェクトの進め方に一定の指針が生まれ、品質や成果の安定につながります。一方で、ガイドラインが抽象的なため、実践にはある程度の経験や解釈力が求められます。PMBOKの習得にも時間がかかるでしょう。
プロジェクト管理に役立つ5つのフレームワーク
プロジェクトを効率よく進めるためには、目的や状況に応じて適切なフレームワークを使い分けることが大切です。ここでは、実務でも活用される代表的な5つの管理手法を紹介します。
1.CCPM
CCPM(Critical Chain Project Management)は、各タスクの期日を可能な限り短く設定し、その分プロジェクト全体のスケジュールにバッファ(余裕期間)を設ける手法です。従来のように各タスクに個別の余裕を持たせるのではなく、全体として調整可能なバッファを一括で管理します。
この方法を取り入れることで、個々のタスクで発生しがちな「安全マージンの積み上げ」を防ぎます。実際に遅れが出た場合でも、プロジェクト全体に影響が及ばないように備えられます。納期遅延への対応力が高まる点が特徴です。
CCPMは、タスク間の遅延が最終納期に直結しやすいプロジェクトや、スケジュール通りの進行が特に重視される場面で効果を発揮します。特に、限られた期間内で成果を出す必要があるプロジェクトに向いています。
2.WBS
WBS(Work Breakdown Structure)は、プロジェクト全体の作業を細かく分解し、階層的に整理する手法です。どの作業がどの範囲に属するかが明確になり、タスクの抜けや重複を防げます。
この手法を活用すると、必要な作業の全体像が可視化され、工数やスケジュールの見積もりがしやすくなります。また、各担当者に役割を割り当てる際の基準にもなります。
WBSは、初期段階でプロジェクトの全体構成を整理したいときに有効です。特に、作業内容が複雑で、進行中に混乱が起きやすいプロジェクトで重宝されます。
3.PERT
PERT(Program Evaluation and Review Technique)は、タスク間の依存関係と各タスクにかかる所要時間を可視化し、最短のスケジュールを把握するための手法です。作業の順序や流れを図式化することで、どの作業が全体の期間に影響を与えるかが明確になります。
この手法を使うことで、プロジェクトの中で特に重要なタスクの流れ(クリティカルパス)がわかり、どこに余裕があり、どこに注意が必要かが把握しやすくなります。スケジュールの遅延を防ぐための判断材料としても有効です。
PERTは、作業の段取りが複雑なプロジェクトや、新規性が高く、実績データが乏しいプロジェクトに適しています。計画段階で不確実性を整理し、より現実的なスケジュールを立てたいときに効果を発揮します。
4.PPM
PPM(Project Portfolio Management)は、複数のプロジェクトを俯瞰して管理し、経営戦略やリソース配分を最適化するための手法です。どのプロジェクトに重点を置くかを判断し、全体最適を図ります。
この手法を導入することで、組織全体の視点からプロジェクトの優先順位や投資効果を判断できるようになります。各プロジェクトのバランス調整やリスク分散にも役立ちます。
PPMは、複数のプロジェクトを同時に抱える組織や、経営と現場を連携させたい場合に向いています。限られたリソースを効率的に活用したいときに有効です。
5.P2M
P2M(Project & Program Management)は、日本で開発されたプロジェクトおよびプログラムマネジメントの標準フレームワークです。単なる作業管理にとどまらず、企業の戦略や価値創造と結びつけながらプロジェクトを進める視点が特徴です。
P2Mでは、プロジェクトを個別の活動として扱うのではなく、複数の取り組みをプログラムとして束ね、全体の方向性や相乗効果を重視します。そのうえで、ビジョンの明確化、ステークホルダーとの合意形成、変革の実現といった観点から計画・実行・評価を進めていきます。
このような手法を取り入れることで、単一プロジェクトの成功だけでなく、組織としての成長や競争力の強化にもつながります。プロジェクトの規模や対象が大きい場合に向いており、全体を俯瞰する視点と高度なマネジメント力が求められます。
フレームワークを活用してプロジェクトをスムーズに進めよう
プロジェクトは、計画から実行、評価まで段階的に進めていくものです。その過程では、進行状況を見極めながら、リソースやスコープなどを的確に管理していくことが求められます。目的を達成するためには、関係者との連携や情報共有も含め、全体を見渡しながら丁寧に運営することが欠かせません。
こうしたプロジェクト管理においては、フレームワークの活用が大きな助けになります。状況や目的に応じて適切な手法を取り入れることで、判断に迷わず、安定した進行が可能になります。プロジェクトの成功率を高めるうえでも、フレームワークの活用は非常に有効です。