- NEWINGS(ニューイング)株式会社 採用TOP
- コラム記事一覧
- プロジェクトの管理手法8選!それぞれのメリットデメリットと選び方
プロジェクトの管理手法8選!それぞれのメリットデメリットと選び方

更新日:2025/03/07
プロジェクト管理の手法は多岐にわたり、状況に応じた使い分けが重要です。本記事では、代表的な8つの手法やシステム開発における手法を解説し、選び方のポイントを紹介します。プロジェクトマネジメントに携わる方、必見の内容です。
目次
はじめに
プロジェクト管理は、プロジェクトを成功に導くために、計画、実行、監視などの一連のプロセスを管理することです。適切な管理手法を用いることで、プロジェクトを円滑に進め、目標を達成できるでしょう。
プロジェクトを成功させるためには、どのような管理手法を選択すればよいか、悩んでいる人も多いでしょう。各手法には、それぞれメリットとデメリットがあるため、自身のプロジェクトに適した手法を選ばなくてはなりません。
本記事では、代表的な8つのプロジェクト管理手法と、システム開発における代表的な手法を詳しく解説。その選び方も説明します。プロジェクトマネジメントに携わる方、管理手法の選択に悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。
NEWINGSでは一緒に働く仲間を募集中です!

NEWINGSでは、PMOマネジャーを含め、PMOやSEを募集中です。
SEの経験が浅い方が現場で活躍したり、SEのみの経験からPMOへとキャリアアップした方もいます。
ご興味のある方はぜひ一度、募集要項をご覧いただけますと幸いです。
募集要項一覧|NEWINGS株式会社
この記事で言いたいこと
・国際標準であるPMBOKについて理解しておこう
・ウォーターフォールは要件が明確なシステム開発に適している
・アジャイルは顧客のニーズが定まっていない開発に適している
・適した管理手法はプロジェクトの目的や規模に応じて異なる
プロジェクト管理手法8選
プロジェクトを成功に導くためには、適切な管理手法を選ばなければなりません。ここでは、代表的な8つのプロジェクト管理手法を紹介します。それぞれのメリット・デメリットや適したケースを紹介するので、プロジェクトに合うものを選びましょう。
PMBOK
PMBOKとは、Project Management Body of Knowledgeの略称です。アメリカのプロジェクトマネジメント協会(PMI)が策定した、プロジェクトマネジメントの知識体系を指します。プロジェクト管理のベストプラクティスを網羅的にまとめています。
プロジェクト管理の標準的な手法やプロセスをまとめたものであり、これを理解することで、プロジェクトを効率的に進められるでしょう。また、世界中で認知されているため、国際的なプロジェクトにも活用できます。
一方で、PMBOKはあくまでも知識体系であり、そのまま適用できない場合もあります。具体的な状況に合わせてカスタマイズしなければならず、導入ハードルが高いと感じるかもしれません。
PMBOKは、大規模で複雑なプロジェクトに適しています。特に、多くのステークホルダーが関わるプロジェクトや、国際的なプロジェクトでは効果を発揮するでしょう。標準化されたプロセスが重要となる場合に適した手法です。
CCPM
CCPMとは、Critical Chain Project Managementの略称です。プロジェクトの各タスクを完了させるための時間を最短で見積もる代わりに、各タスクの後ろにバッファを設けます。そのバッファを、プロジェクトの最後に「プロジェクト・バッファ」として配置し、必要に応じて切り崩します。
たとえばA・B・Cの3つのタスクにそれぞれ4日を振り分けたいが、最短で3日で終わらせられるとしましょう。この場合、A~Cのタスクの所要時間をそれぞれ3日ずつに設定し、タスクCの後ろに3日のプロジェクト・バッファを設けます。仮にタスクBの進捗が遅れてあと2日必要となっても、プロジェクト・バッファから2日を切り崩せます。
CCPMのメリットは、プロジェクト全体のリードタイムを短縮できることです。リソースが足りなくなったときにバッファから切り崩すため、効率的な作業ができるようになります。
ただし、十分なプロジェクト・バッファを設けられない短期プロジェクトには向きません。また、バッファ管理には高度なスキルが求められます。部署間の連携がスムーズでない、各メンバーにタスクを早く終わらせようという意識がないといった場合、バッファが浪費されるかもしれません。
CCPMは納期が厳しく、リソースに制約がある長期プロジェクトに適しています。特に、マルチプロジェクト環境で、リソースの競合が問題となる場合に効果的です。
WBS
WBSとは、Work Breakdown Structureの略称で、作業分解構成図のことです。プロジェクト全体を細かい作業に分解し、階層的に構造化します。作業の漏れや重複を防ぎ、プロジェクトの全体像を明確化できます。
WBSを作成することで、プロジェクトに必要な作業を明確にできます。そのため、見積もりの精度が向上するでしょう。また、担当者や責任範囲も明確になるため、進捗管理が容易になる点もWBSのメリットです。
デメリットは、WBSの作成には時間と労力がかかる点です。特に、大規模なプロジェクトでは、詳細な作業分解が難しいこともあります。また、作成後に変更が生じた場合、WBSの修正に手間がかかる点もデメリットです。
WBSは、プロジェクトの規模にかかわらず、さまざまなプロジェクトに適用できます。特に、作業の洗い出しや見積もりを正確に行いたい場合に効果的です。また、チームメンバー間の認識を統一したい場合にも適しています。
ガントチャート
ガントチャートとは、プロジェクトのスケジュールを視覚的に表現する表のことです。横軸に時間、縦軸に作業項目を取り、各作業の開始日と終了日を棒グラフで示します。プロジェクトの進捗状況を一目で把握できる便利なツールです。
ガントチャートのメリットは、プロジェクトのスケジュールを視覚的に把握できることです。そのため、進捗の遅れを早期に発見できます。また、タスクの依存関係も表現できるため、計画の調整がしやすいです。
ただし、詳細なタスク管理には向いていません。ガントチャートは、あくまで大枠のスケジュール管理に用いるものです。また、変更が生じた場合、チャートの修正に手間がかかります。このように、柔軟性に欠ける点がデメリットです。
ガントチャートは、プロジェクトの全体スケジュールを管理したい場合に適しています。特に、進捗状況を視覚的に共有したい場合に効果的です。各タスクの遅れがプロジェクト全体の遅れにつながるようなケースに適しています。
PPM
PPMとは、Project Portfolio Managementの略称です。複数のプロジェクトのまとまりを「ポートフォリオ」として捉え、予算やリソースなどを全体管理することで、組織戦略との整合性やリソース配分を最適化する手法です。経営視点からプロジェクトを評価し、選択と集中を行います。
PPMのメリットは、組織戦略に沿ったプロジェクトを選択できることです。そのため、経営目標の達成に貢献できます。リソースを有効活用できるため、組織全体の生産性向上が見込める点もPPMのメリットです。
PPMの導入には、組織全体のプロジェクトを管理する仕組みが必要です。そのため、導入のハードルが高いといえるでしょう。また、プロジェクトの評価基準が曖昧だと、適切な意思決定ができない可能性もあります。
PPMは、複数のプロジェクトを同時進行させる組織に適しています。特に、経営戦略との整合性を重視する場合に効果的です。また、リソースの最適配分が課題となっている組織にも適しています。
P2M
P2Mとは、Program and Project Managementの略称です。日本で開発されたプロジェクトマネジメントのガイドラインであり、組織変革やイノベーション創出に主眼を置いています。
P2Mは、戦略的なプロジェクトの推進に効果を発揮します。また、日本発のガイドラインであるため、日本のビジネス環境に適している点もP2Mのメリットです。
P2Mは、従来のプロジェクト管理とは異なるアプローチが必要なため、理解と習得に時間がかかります。また、組織全体での取り組みが必要となるため、導入のハードルが高い手法です。トップダウンでの強力なリーダーシップが求められます。
P2Mは、組織変革やイノベーションを目的としたプロジェクトに適しています。特に、新規事業開発や業務改革などのプロジェクトで効果を発揮するでしょう。長期的な視点で組織の成長を目指す場合に適しています。
PERT
PERTとは、Program Evaluation and Review Techniqueの略称です。プロジェクトの各作業の所要時間を見積もり、クリティカルパスを特定する手法です。作業間の依存関係を明確にし、プロジェクトの最短完了時間を算出します。
PERTのメリットは、プロジェクトの最短完了時間を把握できることです。そのため、スケジュール管理の精度が向上します。また、クリティカルパスを特定することで、重点的に管理すべき作業が明確になるでしょう。
PERTのデメリットは、各作業の所要時間の見積もりが難しい点です。特に経験の少ない作業では、見積もりの精度が低くなりやすいです。また、作業の依存関係が複雑な場合、PERT図の作成が難しいこともあるでしょう。
PERTは、作業の所要時間にばらつきが大きいプロジェクトに適しています。スケジュール管理を重視するプロジェクトに適した手法です。
QFD
QFDとは、Quality Function Deploymentの略称で、品質機能展開のことです。顧客の要求を、製品やサービスの品質特性に展開する手法を指します。顧客満足度の向上を目的とした、品質管理の手法です。
QFDのメリットは、顧客の声を製品開発に反映できることです。そのため、顧客ニーズにマッチした製品を開発できます。また、開発プロセス全体で品質を確保できるため、品質問題の発生を未然に防げるでしょう。
QFDの実施には、顧客の声を収集し、分析するプロセスが必要です。そのため、時間とコストがかかります。また、顧客の要求と技術的な実現可能性のバランスを取ることが難しい場合もあるでしょう。
QFDは、顧客満足度の向上が重要なプロジェクトに適しています。特に、製品開発やサービス改善のプロジェクトで効果を発揮するでしょう。顧客の声を重視するプロジェクトに適した手法です。
システム開発におけるプロジェクト管理手法
システム開発を成功させるためには、プロジェクト管理が欠かせません。中でも、開発手法はプロジェクトの進め方を大きく左右します。
ここでは、システム開発における代表的な開発手法として「ウォーターフォール」と「アジャイル」の2つを取り上げます。それぞれのメリットとデメリットについて見ていきましょう。
ウォーターフォール
ウォーターフォールとは、システム開発を上流工程から下流工程へと、一方向に進めていく手法です。滝(ウォーターフォール)が上から下へ流れるように、各工程を順番に完了させていきます。
基本的には前の工程へ後戻りしないのが、ウォーターフォールの特徴です。要件定義、外部設計、内部設計、開発、テスト、リリースといった流れで進みます。
ウォーターフォールは、大規模で要件が明確なプロジェクトに適しています。各工程の成果物をしっかり定義し、計画的に開発を進められるからです。特に、社会インフラなどのミッションクリティカルなシステム開発に向いています。変更が生じにくいプロジェクトに適した開発手法です。
メリット
ウォーターフォールのメリットは、進捗管理がしやすいことです。各工程の開始時と終了時に成果物を明確に定義するため、計画とのずれを早期に発見できます。各工程の成果物を明確にすることで、手戻りを防ぎ、品質の作り込みがしやすくなるからです。
進捗管理がしやすくなることで、プロジェクト全体の見通しが立てやすくなります。そのため、スケジュール遅延などのリスクを低減できるでしょう。また、各工程での成果物が明確になるため、顧客との合意形成がしやすい点もメリットといえます。
デメリット
ウォーターフォールのデメリットは、仕様変更への対応が難しいことです。ウォーターフォールは原則として前工程には戻らないため、開発の途中で仕様変更があると手戻りが大きくなります。前工程の成果物をもとに後工程が進むため、後工程での変更は、前工程に影響を与えてしまうからです。
仕様変更への柔軟性を高めるためには、要件定義を詳細かつ正確に行うことが重要です。また、プロトタイピングなどを活用し、早い段階で顧客との認識合わせを行うことも有効でしょう。変更管理プロセスを整備し、変更の影響を最小限に抑える工夫もできます。
アジャイル
アジャイルとは、システム開発を小さな単位でくり返し進めていく手法です。反復(イテレーション)と呼ばれる短い期間で、計画、設計、実装、テストをくり返します。変化に柔軟に対応できることが、アジャイルの特徴です。顧客のフィードバックを反映しながら、段階的に開発を進めます。
アジャイルは、要件が明確でない、もしくは変更が生じやすいプロジェクトに適しています。顧客のニーズを探りながら開発を進められるためです。新技術を用いた開発など、不確実性が高いプロジェクトにも向いています。変化の激しいビジネス環境でのシステム開発に適した開発手法です。
メリット
アジャイルのメリットは、仕様変更に柔軟に対応できることです。短いイテレーションをくり返す中で、顧客からのフィードバックを反映できるからです。イテレーションごとに成果物を確認し、方向性を調整できるため、手戻りを最小限に抑えられます。
仕様変更に柔軟に対応できることで、顧客満足度の高いシステムを開発できます。開発の過程で、ビジネス環境の変化に対応することも可能です。また、リスクを早期に発見し、対策を講じられるため、プロジェクトの成功確率が高まります。
デメリット
アジャイルのデメリットは、スケジュールやコストの見積もりが難しいことです。開発の初期段階で、システム全体の仕様を確定しないため、先の見通しが立てにくくなります。イテレーションをくり返す中で、仕様が変更される可能性もあります。
スケジュールやコストの見積もり精度を高めるためには、ベロシティ(イテレーションごとの進行速度)を計測し、実績値を基に見積もる方法があります。また、顧客と優先順位を協議し、スコープを調整することも有効です。定期的に進捗状況を確認し、計画を調整していくことも重要です。
プロジェクト管理手法の選び方
プロジェクトを成功させるためには、適切な管理手法を選ぶことが大切です。しかし、どの手法を選べばよいかは、プロジェクトの特性によって異なります。ここでは、プロジェクト管理手法を選ぶ際のポイントを3つ紹介します。
プロジェクトの目的で選ぶ
プロジェクトの目的によって、適した管理手法は異なります。目的を明確にすることが、手法選びの第一歩となります。目的に合わない手法を選んでしまうと、プロジェクトがうまく進まないばかりか、失敗につながる可能性もあるでしょう。
たとえば、大規模で要件が明確なプロジェクトでは、ウォーターフォールが適しています。各工程の成果物をしっかり定義し、計画的に開発を進められるからです。
一方、要件が流動的なプロジェクトでは、アジャイルが適しています。顧客のフィードバックを反映しながら、柔軟に開発を進められるからです。新製品の開発では、イノベーションを重視したP2Mが有効な場合もあります。
プロジェクトの複雑さで選ぶ
プロジェクトの複雑さに応じて、管理手法を選ぶことも重要です。複雑なプロジェクトでは、タスクや成果物、ステークホルダーなどが多岐にわたるからです。そのため、プロジェクト全体を適切に管理できる手法を選ぶ必要があります。
たとえば、多くのステークホルダーが関わる複雑なプロジェクトでは、PMBOKが適しています。プロジェクト管理の知識体系を活用し、さまざまな要素を統合的に管理できるからです。
一方、比較的シンプルなプロジェクトでは、WBSやガントチャートを用いた管理手法が有効でしょう。作業を細分化し、スケジュールを視覚化することで、効率的にプロジェクトを進められます。
チームの規模で選ぶ
チームの規模も、プロジェクト管理手法を選ぶ際のポイントです。チームの規模によって、コミュニケーションの取り方や意思決定のプロセスが変わるからです。規模に合わない手法を選ぶと、チーム内の連携がうまくいかず、生産性が低下してしまいます。
たとえば大規模なチームでは、役割や責任を明確に定義し、標準化されたプロセスで進めることが重要です。PMBOKなどの体系的な手法が適しているでしょう。
一方、小規模なチームでは、アジャイルのように柔軟で迅速な意思決定が可能な手法が適しています。メンバー間の密なコミュニケーションを通じて、変化に柔軟に対応できるからです。
プロジェクト管理手法は状況に応じて選ぼう
プロジェクトの特性は多種多様であり、それぞれに適した管理手法は異なります。状況に応じて適切な管理手法を選択することが、プロジェクト成功の鍵を握ります。
プロジェクトマネージャー(PM)やプロジェクトマネジメントオフィス(PMO)にとって、各管理手法の特徴を理解することは重要です。それぞれのメリットとデメリットを把握し、どのようなケースに適しているのかを判断できるようになりましょう。
もしあなたがエンジニアとしての経験を活かし、プロジェクトマネジメントの分野でキャリアアップを目指しているなら、ぜひ弊社のPMO募集にご応募ください。あなたの経験とスキルを、プロジェクトの成功のために活かしてみませんか?
募集要項(PMO(プロジェクトマネジメントオフィス) ) | NEWINGS(ニューイング)株式会社