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PMO

PMOに必要なスキルとは?業務内容や向いている人材について解説

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更新日:2025/02/07

PMOとは、システム開発プロジェクトを効率的に管理しながら成功に導く支援組織です。本記事では、PMOの種類や業務内容、PMOに求められるスキルと向いている人の特徴、PMOに関連する資格について紹介しています。PMOのスキルを身につけたい方、プロジェクトマネジメントに興味がある方に役立つ情報満載です。

目次

  1. はじめに
  2. NEWINGSでは一緒に働く仲間を募集中です!
  3. この記事で言いたいこと
  4. PMOとは
  5. PMOの種類と業務内容
  6. PMOに求められるスキル
  7. PMOに向いている人
  8. PMOになるために必要な資格
  9. PMOスキルは実践で身に付く

はじめに

近年、多くの企業では複数のプロジェクトを同時進行で管理することが求められています。また、DXの推進やグローバル化が進む中で、プロジェクト全体を俯瞰しながら、標準化や効率化を担うPMOの需要はさらに高まっているといえるでしょう。

本記事では、PMOの種類別の業務内容から必要なスキル、向いている人材などについて詳しく解説します。取得すると業務の幅が広がる資格も紹介しているため、PMOの仕事に興味を持っている方や、PMOの資格取得を検討している方は参考にしてみてください。

NEWINGSでは一緒に働く仲間を募集中です!

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NEWINGSでは、PMOマネジャーを含め、PMOやSEを募集中です。

SEの経験が浅い方が現場で活躍したり、SEのみの経験からPMOへとキャリアアップした方もいます。
ご興味のある方はぜひ一度、募集要項をご覧いただけますと幸いです。
募集要項一覧|NEWINGS株式会社

この記事で言いたいこと

・PMOには3つの職種に分けられ、プロジェクトを成功に導く役割を担う
・PMOを目指す人が特に身に着けたいスキルは、マネジメント力・コミュニケーション力
・PMOに向いている人の特徴は、他者の伴奏が得意でスキルアップに意欲的な人
・PMOを目指すにはプロジェクトマネジメント・アソシエイト認定資格からがおすすめ

PMOとは

PMOとは、プロジェクトの成功を支援するために設置される組織や役割を指します。PMOの主な役割は、プロジェクト管理の標準化や効率化など、複数のプロジェクトを統括的に管理することです。具体的には、プロジェクトの計画立案、進捗管理、課題分析と解決、リソース及びコストの調整など、プロジェクト全体の方向性が企業戦略と一致するようにサポートします。

PMOは単なるサポート役にとどまらず、PMやチームを牽引するのも役割の一つです。プロジェクト進行中に課題が発生した際は迅速に計画の修正を図り、変更・調整した上でふたたび軌道に乗せます。さらに、プロジェクト完遂後は成果を振り返り、次のプロジェクトへの学びを蓄積する役割も担います。

PMOの種類と業務内容

PMOは、役割によって種類が異なります。3つの種類と業務内容、必要なスキルについて紹介します。

PMOアドミニストレータ

PMOアドミニストレータは、プロジェクトを遂行する上で発生するさまざまな管理や庶務的な役割を担います。事務作業が多いことから「PMO事務」とも呼ばれています。業務内容としては、プロジェクトのスケジュールやコスト管理、会議の調整、進捗データや資料の整理などがあります。

PMOアドミニストレータは、プロジェクトには欠かせない縁の下の力持ちといえるでしょう。作業の正確性、事務処理能力などが求められるため、細かな作業が得意な方に向いています。

PMOエキスパート

PMOエキスパートは、プロジェクトのルール策定や課題解決に向けた作業の推進、プロジェクト方法の標準化などの役割を担います。

高いコミュニケーションスキル、プロジェクトマネジメントにおける深い専門知識、問題発見・解決能力、ファシリテーション能力が求められるポジションといえます。プロジェクト全体を牽引しながら、積極的に貢献したい方に向いています。

PMOマネージャー

PMOマネージャーは、主にPMO全体をマネジメントする役割を担います。PMOの計画や方針の統一化を図る環境整備も、PMOマネージャーの役割です。

PMOという組織自体を管理するため、高いマネジメントスキルやリーダーシップ、論理的思考、計画力が求められます。全体を俯瞰しながら、目標達成に向けて組織をまとめることが得意な方に向いています。

PMOに求められるスキル

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PMOがプロジェクトを成功に導くためには、さまざまなスキルが求められます。その中でも習得しておくと役立つスキルを9つ紹介します。

スキル1.コミュニケーションスキル

コミュニケーションスキルは、PMOに必要不可欠なスキルといえるでしょう。

コミュニケーション能力と一言に言っても「相手に自分の考えが伝わるように話すスキル」「相手の考えをじっくり聞いて必要な情報を引き出すスキル」「意見の相違があった時にお互いの意見を尊重しながら合意に導くスキル」などさまざまです。

各部門が集まる打ち合わせなどにおいて、全員の意見を聞いた上で適切な解決策を導くためには上記のコミュニケーションスキルが必要不可欠です。

スキル2.問題発見・解決スキル

問題発見・解決スキルとは、物事の中から問題を見つけて、その問題を解決するための能力のことをいいます。

一見順調に見えても、細かく状況を確認すると課題が見つかることもあります。作業の進め方が効率的でない、メンバー内でのルールに認識齟齬が生じている、残業が多いなども、緊急性はないものの早めの対処が必要です。

プロジェクトを進めるにあたり、予期せぬ出来事によるスケジュールの遅延は珍しくありません。問題をいち早く見つけて原因を分析し、迅速に影響を最小限に抑えるためにはPMOの問題発見・解決スキルが役立ちます。

スキル3.スケジュール管理スキル

プロジェクト遂行にあたり特に重要なのは、決められた納期を厳守することです。PMOはスケジュールの遅れやコストの超過を防ぐために情報収集をこまめに実施し、常に進捗状況を確認する必要があります。

スケジュールに遅れが生じた場合は、リソースなど調整すべき部分を臨機応変に見分けて再び軌道に乗せるためのスケジュール管理スキルが役立ちます。

スキル4.マネジメントスキル

PMOの主な役割は管理業務であるため、マネジメントスキルは必須です。適切にマネジメントするためには、状況を把握する情報収集能力・相手に説得力を与える交渉力・計画した案を導入する実行力などが求められます。

PMOはプロジェクトの進捗状況を常に把握し、変化に応じて柔軟に計画を見直す役割があります。リソースの不足や優先順位の変化など、課題が発生したときには迅速な意思決定を行うマネジメントスキルが役立ちます。

スキル5.事務スキル

PMO業務には事務作業も少なくありません。基本的な事務作業には、資料作成やプロジェクトの進行状況管理、タスク及びスケジュールの整理、会議の議事録作成などが挙げられます。プロジェクトで発生する細かな事務作業において、問題なく対応できる事務スキルが求められます。

事務作業には、正確なデータ入力や文書作成能力が求められるため、Excel、Word、PowerPointの知識などは最低限身につけておくと安心でしょう。

スキル6.ファシリテーションスキル

プロジェクト中に発生するメンバー同士の議論において、それぞれの意見を引き出しながら、合意形成を支援する能力のことをファシリテーション能力といいます。

プロジェクトでは、打ち合わせという限られた時間の中で全員の意見を汲み取りながら、話し合いの着地点を見つける必要があります。関係者間で意見の食い違いや課題解決が停滞しそうな場面において、それぞれの意見を引き出しながら合意形成を図るPMOのファシリテーションスキルが役立ちます。

スキル7.傾聴スキル

プロジェクトの進行において、PMOの傾聴スキルも欠かせません。プロジェクトにはさまざまな立場の方が関わり、課題や悩みを抱えています。現場メンバーが抱える率直な意見を汲み取り、今後のプロジェクトの進め方や環境の調整に役立てるスキルが求められます。

メンバーが日頃から抱える問題や意見に耳を傾けることで、モチベーションの向上や潜在的なリスクの早期発見にもつながります。PMOの傾聴スキルは、プロジェクト全体の団結力にも直結するといえるでしょう。

スキル8.プログラミングスキル

必須ではありませんが、プログラミングの知識・スキルがあると、プロジェクト管理において役立ちます。技術的なプログラミングスキルを持つことでプロジェクトの実務内容を深く理解し、適切な支援ができるためです。

また、SEなどの経験があることにより、システム開発の流れや課題を把握しやすく、メンバーとのコミュニケーションが円滑になるでしょう。

スキル9.語学力

語学力はPMOにとって必須ではありませんが、あると非常に役立つスキルです。近年国際的なプロジェクトが増加していることから、語学力を身につけていると業務の幅が広がります。

また、語学力があることで海外メンバーとのコミュニケーションが円滑に進み、情報の伝達ミスや誤解を未然に防げるでしょう。

PMOに向いている人

PMOとして活躍している人には共通点があります。ここでは、PMOに向いている人の特徴について紹介します。

特徴1.相手の立場になって物事を考えられる

相手の立場を理解して配慮できる方は、PMOに向いているといえます。プロジェクト進行中は、関係者間での意見の食い違いや対立、現場内でさまざまな課題や悩みを抱えるメンバーも出てくるでしょう。

相手の立場になって物事を考えることにより、相手の意図を汲み取りながら環境の改善を図れます。

特徴2.PMとしての経験が豊富

PM経験が豊富な方は、PMOに向いているといえます。

プロジェクトには、予期せぬ問題やリスクがつきものです。プロジェクト管理の知識と経験が豊富なことにより、適切な判断を迅速に下し、効果的な対策を実行できるでしょう。

特徴3.他者の伴走が得意

PMOは、PMのサポート役ともいえる重要な役割です。プロジェクトの進行中にメンバーやPMが課題やプレッシャーを抱えた際は、PMOの適切なサポートがプロジェクトの成功にもつながります。

相手を支えながら目標達成を後押しすることにやりがいを感じる方は、PMOに向いています。

特徴4.スキルアップに意欲的

自ら進んで問題解決に取り組む意欲的な方は、PMOに向いているといえるでしょう。

積極的な情報収集やアイデア提案など、目標達成に向けて柔軟に対応する姿勢は、PMやメンバーにも良い刺激を与えます。チーム全体の士気を高めて、信頼関係も築きやすくなるしょう。

「PMOに向いている人」ついてさらに詳しく知りたい方は、以下の記事も合わせてご覧ください。
【PMOに向いている人の5つの特徴、役職ごとに求められるスキルとは?】

PMOになるために必要な資格

PMOになるにあたって必須の資格はありませんが、資格を持っていることで業務の幅がさらに広がります。ここからは、PMOに関連する資格を4つ紹介します。

プロジェクトマネジメント・アソシエイト認定資格

プロジェクトマネジメントに関する基礎知識が出題される資格です。取得することにより、プロジェクトの現場に必要な知識・技術の習得を証明できます。プロジェクトマネジメントの土台とも言える初級者向け資格です。

オンラインで受験でき、指定されている学習教材の履修が終わっていれば受験可能です。
【認定資格】プロジェクトマネジメント・アソシエイト認定資格/一般社団法人日本PMO協会

PMOスペシャリスト認定資格

「プロジェクトマネジメント・アソシエイト認定資格」を取得すると、受験資格を得られる資格です。

「PMOスペシャリスト(★)」「PMOスペシャリスト(★★)」「PMOスペシャリスト(★★★)」の3種類(PMOスペシャリスト(★★★)は現在策定中のため受験対象外)があり、星の数が増えるにつれて難易度が上がります。

PMOスペシャリスト(★)認定資格は、PMO業務で必要な知識を証明できる中級者向けの資格です。PMOスペシャリスト(★★)認定資格は、PMOマネージャーとして必要な知識やスキルを証明できる資格です。
【認定資格】PMOスペシャリスト™認定資格シリーズ/一般社団法人日本PMO協会

プロジェクトマネージャー試験

IT系国家資格試験「情報処理技術者試験」の区分の一つです。難易度が高い試験といわれており、合格するとITプロジェクトのマネジメント業務をスムーズに進行する知識やスキルがあることを証明できます。

プロジェクトマネージャー試験は、PMやPMOを目指す方に適した資格といえるでしょう。
プロジェクトマネージャ試験/独立行政法人情報処理推進機構

PMP(プロジェクトマネジメント・プロフェッショナル)

米国のプロジェクトマネジメント協会(PMI)が認定している国際的な資格です。試験は、プロジェクトマネジメント協会が発行する「PMBOKガイド」から出題され、人材、プロセス、ビジネス環境の3種類から構成されています。

海外での認知度が高いことから、国際的な仕事がしたい人、グローバル人材として活躍したい人などにおすすめの資格です。
PMP®資格について/一般社団法人 PMI日本支部

PMOスキルは実践で身に付く

PMOとして活躍するためには、コミュニケーションスキル、問題発見・解決スキル、スケジュール管理スキル、マネジメントスキルなどが求められます。くわえて、語学力やプロジェクトマネジメントに関する資格も取得していると、PMOとしてより活躍できる人材になれるでしょう。

PMOは自分の意見を相手に分かりやすく伝えることも重要ですが、メンバーの意見に耳を傾け、PMやメンバーが働きやすい環境を作ることも欠かせない役割です。周囲との信頼関係を構築することが、プロジェクトの質ひいては組織の利益にも繋がります。PMOに必要なスキルを理解した上で、実践しながら身につけていくことが大切です。

PMOとして自分のスキルを最大限に発揮したい方、実践しながら身につけていきたい方は、ぜひ弊社のPMO募集にご応募ください。あなたの知識や経験を、弊社のプロジェクトで活かしてみませんか?