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プロジェクト管理7つのコツと3つのスキル|QCDを意識して効率と品質を高めよう

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更新日:2025/05/30

プロジェクト管理の7つのコツと役立つ3つのスキルを紹介。プロジェクトの進め方や管理の対象となる要素についても、わかりやすく解説します。PMやPMOなど、現場でプロジェクトを任される方に役立つ内容です。

目次

  1. はじめに
  2. NEWINGSでは一緒に働く仲間を募集中です!
  3. この記事で言いたいこと
  4. プロジェクト管理とは
  5. プロジェクト管理の鉄則は「QCD」
  6. プロジェクト管理の5つの管理対象
  7. プロジェクト管理の進め方
  8. プロジェクト管理の7つのコツ
  9. プロジェクト管理に役立つ3つのスキル
  10. コツを押さえてプロジェクトを円滑に進めよう

はじめに

プロジェクト管理とは、チームで目標を達成するために、進め方や作業の内容、スケジュールなどを整理し、進行を調整していくことです。複数のメンバーが関わる業務をスムーズに進行させるために、欠かせない手法といえます。

「タスクが多すぎて全体像が見えない」「予定通りに終わらない」「気づけば手戻りばかり」、そんな悩みを抱えてはいませんか? ちょっとしたコツを意識するだけでも、プロジェクトはうまく回るようになります。

この記事では、プロジェクト管理の基本から、実務に活かせる進め方やコツ、役立つスキルまでをわかりやすく解説します。プロジェクトが思うように進まない方、PMやPMOを目指す方は、ぜひ参考にしてください。

NEWINGSでは一緒に働く仲間を募集中です!

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NEWINGSでは、PMOマネジャーを含め、PMOやSEを募集中です。

SEの経験が浅い方が現場で活躍したり、SEのみの経験からPMOへとキャリアアップした方もいます。
ご興味のある方はぜひ一度、募集要項をご覧いただけますと幸いです。
募集要項一覧|NEWINGS株式会社

この記事で言いたいこと

⚫︎プロジェクト管理はチームが最大限の力を発揮するために欠かせない
⚫︎プロジェクト管理ではQCDのバランスを取ることが大切
⚫︎プロジェクトをスムーズに進めるには、5つの要素を意識して管理することが重要
⚫︎都度フィードバックを得ることで、後工程や次回以降のプロジェクト進行がスムーズになる
⚫︎まずは目的とスコープを明確にすることで、手戻りが少なくなる

プロジェクト管理とは

プロジェクト管理とは、目標に向かってチームを動かし、業務を計画的に進めていくための考え方や手法です。計画を立て、必要な作業を洗い出し、それぞれの担当を決めたうえで、進捗やコスト、リスクなどを管理していきます。

きちんと管理ができていれば、ムダな手戻りが減り、限られた時間や予算の中でも高い成果が出しやすくなります。また、関係者との連携もスムーズになり、チーム全体のパフォーマンス向上にもつながります。

複雑化する社会の中で、仕事においてスピードも柔軟さも求められる場面が多くなりました。その中でやるべきことを見極め、プロジェクトを着実に進めていくためには、プロジェクト管理の考え方が欠かせません。

プロジェクト管理の鉄則は「QCD」

プロジェクトを成功に導くために欠かせない視点として、「QCD」があります。QCDとは、品質(Quality)、コスト(Cost)、納期(Delivery)の頭文字を取った言葉で、プロジェクト管理の基本的な指針とされています。

これら3つを同時に意識すること、バランスを取ることで、成果物の価値やプロジェクト全体の完成度が大きく変わってきます。

例えば納期を優先しすぎると品質が下がることがあり、品質にこだわりすぎると予算オーバーにつながることもあります。一方で、コストを抑えすぎると必要なリソースが確保できず、結果的に納期遅延や品質低下を招く恐れもあります。

限られた条件の中で最良の成果を出すために、QCDの各要素についてあらかじめ基準を決めておくこと、各要素のバランスを取ることを意識しましょう。

プロジェクト管理の5つの管理対象

プロジェクトを計画的に、安定して進めるには、5つの要素を意識して管理する必要があります。スコープ、スケジュール、コスト、リスク、品質の5つです。

スコープ

スコープ管理とは、プロジェクトで何を行うか、そして何を行わないかを明確にすることです。計画段階でプロジェクトの目標と作業範囲を定め、それに沿って作業を進めていきます。

管理の対象には「プロジェクトスコープ」と「成果物スコープ」の2種類があります。前者はプロジェクト全体の作業範囲、後者は納品物そのものの範囲です。それぞれが曖昧なままだと、後から作業の追加や変更が発生しやすくなります。

スコープを明確にしておくことで、手戻りや無駄な作業を防ぎ、納期やコストのブレも抑えやすくなります。

スケジュール

スケジュール管理では、プロジェクトの全体像を時間軸でとらえ、いつ何を行うかを整理します。作業(タスク)ごとの所要時間や順序を把握し、現実的な計画を立てることが重要です。

具体的には、タスクごとの開始日・終了日、マイルストーン、納期などを管理します。タスク同士の依存関係やリード・ラグタイムの調整も、スケジュール管理に含まれます。

スケジュール管理ができていれば、遅延の兆候を早めに発見でき、柔軟な対応が可能になります。全体の流れを把握しやすくなり、チーム内の連携や意思決定のスピードも向上します。

コスト

コスト管理とは、プロジェクトにかかる費用を見積もり、実際の支出をコントロールしていくプロセスです。予算内で成果を出すためには、正確な計画と継続的な見直しが欠かせません。

管理の対象は、人件費、外注費、設備費、交通費などの直接費用に加え、管理工数などの間接費も含まれます。初期の見積もり精度と、進行中の記録・修正がポイントです。

コスト管理を徹底することで、予算オーバーを防ぎ、不要な支出を抑えられます。最終的な利益を最大化するうえでも、費用の可視化とコントロールは重要です。

リスク

リスク管理とは、プロジェクトの進行に影響を与える可能性のある不確定要素を特定し、あらかじめ備えることです。予測可能なリスクに対して、適切な対応策を用意しておかなければなりません。

具体的なリスクには、納期の遅れ、コスト増加、要員の離脱、品質不良、顧客要求の変化など多岐にわたります。それぞれのリスクに対し、回避・軽減・移転・受容といった対応方針を決めておくことが一般的です。

リスクを事前に洗い出し、対応策を準備しておくことで、万が一の事態にも落ち着いて対処できます。

品質

品質管理の目的は、成果物があらかじめ定めた基準や顧客の期待を満たしているかを確認し、品質を一定に保つことです。設計段階からテストやレビューまで、品質を意識した運営を心がけましょう。

管理対象となるのは納品物の完成度だけでなく、作業プロセスやチェック体制も含まれます。設計の整合性、コードの保守性、ユーザー体験など、プロジェクトごとに指標を設定することが重要です。

品質管理が行き届いていれば、リリース後の不具合や手戻りが減り、顧客満足度も高まります。

プロジェクト管理の進め方

プロジェクトを効率的に進めるには、次のステップを意識しましょう。ここでは、プロジェクトを円滑に進めるための基本的な進行手順を、6つのステップに分けて紹介します。

STEP1.目的の設定

まずは、プロジェクトの目的やゴールを明確にしましょう。なぜこのプロジェクトを行うのか、何を達成したいのかを整理し、関係者間で共通認識を持ちます。

明確な目的は、後の工程で判断に迷ったときの判断軸になります。また、目指す方向性がぶれにくくなり、関係者の意識も一つにまとまりやすくなります。

STEP2.チーム編成

次に、プロジェクトに必要なスキルや知識をもつメンバーを集め、チームを編成します。役割や責任範囲を明確にして、各メンバーが自律的に動ける体制をつくることがコツです。

チームが適切に構成されていれば、作業の分担がスムーズになり、各自が責任感をもって業務に取り組むようになります。その結果、プロジェクト全体の推進力も高まります。

STEP3.タスクの洗い出し

目的を達成するために必要な作業を細かく分解し、具体的なタスクとしてリストアップしていきましょう。その際は、漏れや重複がないように丁寧に整理することが大切です。

タスクが明確になれば、全体の流れや優先順位が見えてきます。無駄な作業や手戻りを防ぎ、効率良く進行できるでしょう。

STEP4.タスクの実行

洗い出したタスクに対して、担当者がそれぞれ作業を進めていきます。作業開始後も、関係者間での情報共有やちょっとした調整を怠らないようにしましょう。

実行フェーズで確認を取り合いながら作業を進めることで、品質や納期に対する意識も高まり、後工程でのトラブルも防ぎやすくなるでしょう。チーム全体の連携も密になりやすいです。

STEP5.進捗の管理

計画通りにタスクが進んでいるかを定期的に確認し、遅れや問題があれば早めに対処します。進捗状況を見える化することで、関係者全体の認識をそろえられます。

進捗管理を徹底すれば、状況の変化に対して柔軟に対応できます。遅れの兆候を見逃さず、適切なタイミングで手を打てるでしょう。

STEP6.フィードバック

プロジェクトの途中や完了後に、成果や課題を振り返り、改善点を共有しましょう。関係者からの意見を積極的に取り入れ、次のプロジェクトに活かす姿勢が大切です。

フィードバックを積み重ねることで、次回以降のプロジェクトの品質やスピードが向上します。振り返りの機会は、組織全体の成長にもつながります。

プロジェクト管理の7つのコツ

プロジェクトをスムーズに進めるには、先述した工程をただ進めるだけでは不十分です。ここでは、プロジェクト管理の質を高める、7つのコツを紹介します。

コツ1.ゴールとスコープを明確にする

まず取り組むべきなのは、プロジェクトのゴールとスコープをはっきりさせることです。目指すべき成果と、そのためにどこまで作業するかを言葉にして、関係者と共有しましょう。

この段階を丁寧に行うだけで、途中での迷いや方向性のズレがぐっと減ります。チーム全体の認識がそろい、無駄なやり直しも防げるようになります。

コツ2.関係者と密にコミュニケーションを取る

プロジェクトは一人で動かすものではありません。関係者とのやりとりはこまめに、そして率直にしましょう。特に途中のちょっとした報告や相談をおろそかにしないことがポイントです。

日々の会話が積み重なることで、信頼関係も育っていきます。結果として、トラブルが起きたときにもスムーズに連携が取れるようになります。

コツ3.進捗を可視化し、常に把握する

タスクがどこまで進んでいるのか、見える形で把握できるようにしておくと安心です。タスク管理ツールや進捗表を使って、誰がどの作業をどこまで進めているのかを共有できるようにします。

全体像がつかめていれば、遅れが出たときにもすぐに気づけます。早めに対応できるので、プロジェクト全体が滞るリスクも下げられます。

コツ4.シングルタスクを意識する

メンバーがシングルタスクで作業に取り組めるように計画を組みましょう。

忙しいと、つい複数のことを同時に進めたくなります。しかし、私たち人間の脳は、マルチタスクに向いていません。ひとつずつ集中して取り組むほうが、結果的には効率的です。優先順位をつけて、一度にひとつのことに向き合うよう意識してみてください。

集中して取り組めば、ミスが減るだけでなく、作業のスピードも上がります。タスクの切り替えによる疲れも減り、仕事の質も安定しやすくなります。

コツ5.リスクを洗い出し対応を事前に決めておく

プロジェクトには、思いがけないトラブルがつきものです。だからこそ、事前にリスクを洗い出して、どんな対応を取るかを考えておくと安心です。リスクを事前に洗い出し、各リスクへの対応を決めておくと良いでしょう。リスクへの対応は、次の4つに分類できます。

⚫︎回避:リスク要因を排除し、トラブルそのものが起きないようにすること。発生確率が高く、影響の大きいリスクには回避を選ぶ
⚫︎軽減:リスクの発生を防ぎ、発生した場合の影響を軽くするための対策
⚫︎移転:リスクが発生した際の影響を第三者に移転すること。例えば重要データをクラウドに保管することで、自社管理によるリスクを移転できる
⚫︎受容:リスクがあることを知りながらも、事前の備えをしないこと。発生確率が低いリスク、発生した際の損失よりも対策にかかるコストが大きいリスクに対して、受容を選ぶ

あらかじめ対応策を準備しておけば、いざというときに慌てずに行動できます。

コツ6.フレームワークを活用する

何かを整理したり、計画を立てたりするときには、フレームワークを活用するのもひとつの手です。CCPMやWBSなど、状況に適したものを選んで取り入れてみましょう。

頭の中だけで考えるよりも、形にしてみることで視点が広がります。チームで使えば、考え方のズレも減り、話し合いもしやすくなります。

プロジェクト管理に役立つフレームワークは、こちらの記事で紹介しています。

プロジェクトの進め方と管理に役立つ6つのフレームワーク

コツ7.ツールを活用する

タスク管理や情報共有に役立つツールは、今やプロジェクト運営には欠かせません。自分たちのやり方に合ったツールをうまく選ぶことが大切です。

ツールを取り入れることで、作業の抜け漏れや伝達ミスが減ります。全体の流れがスムーズになり、チームの動きも軽やかになります。

こちらの記事ではAIを活用し、プロジェクト管理を効率化するツールを紹介しています。コミュニケーションコストを抑えたい、抜け漏れが多いという方は、ぜひ参考にしてください。

AIをプロジェクト管理に活用する方法とおすすめのツール5選

プロジェクト管理に役立つ3つのスキル

プロジェクトを成功に導くためには、管理のコツを押さえること、実務に活かせるスキルを身に着けることが大切です。ここでは、プロジェクト管理の現場で特に求められる3つのスキルを紹介します。

スキル1.コミュニケーション力

コミュニケーション力とは、相手の立場を理解しながら、必要な情報を伝えたり受け取ったりする力です。単に話す・聞くにとどまらず、状況に応じて伝え方を工夫し、誤解を避ける伝え方が大切です。

この力があれば、関係者との連携がスムーズになり、意図のずれによるミスやトラブルを減らせます。チーム内の信頼関係も築きやすくなり、プロジェクト全体の安定にもつながります。

スキル2.問題発見・解決能力

問題発見・解決能力とは、現場で起きている小さな違和感や兆候に気づき、課題を特定したうえで、適切な解決策を考え実行に移す力です。状況を冷静に見極める視点と、柔軟に対応する力が求められます。

このスキルがあれば、トラブルが大きくなる前に対処できるため、何かあったときもプロジェクトを立て直しやすくなります。また、チームの根本的な改善にもつながり、より良い進め方を見つけやすくなります。

スキル3.経営者視点

経営者視点とは、コストや利益、組織全体の方向性といった視点から物事を考える力です。自分の担当範囲だけでなく、プロジェクトが会社や顧客にどう貢献するかを意識しながら判断することが求められます。

この視点を持つことで、より戦略的な判断ができるようになります。短期的な成果だけでなく、長期的な価値にも目を向けられるため、プロジェクトの質そのものが大きく変わってきます。

こちらの記事では、特にIT系のプロジェクト管理に役立つ8つのスキルを紹介しています。PMやPMOを目指す方は、ぜひ参考にしてください。

PMOに向いている人の5つの特徴、役職ごとに求められるスキルとは?

コツを押さえてプロジェクトを円滑に進めよう

PMやPMOは、日々の業務の中でスコープやスケジュール、コスト、リスク、品質といった多くの要素を、バランスよく管理していく必要があります。プロジェクトの進め方を誤れば、途中で大きなトラブルに発展することもあり、管理の重要性は常に問われるところです。

大規模なプロジェクトになるほど、関わる人員もタスクも増え、全体を見渡すのが難しくなります。だからこそ、基本的な進行ステップや管理のコツを押さえ、日々の運営に活かしていくことが大切です。